バリ島独自の暦
ウク暦とサカ暦ってなに?
ウク暦とサカ暦とは、バリ島で古くから使われている、独特のカレンダー(暦)です。
もちろん、社会生活は、日本と同じ西暦によるカレンダーを使用しているのですが、このウク暦とサカ暦は、お寺のオダランやガルンガン-クニンガンと言った祭礼日、そして結婚式や火葬式を行う日など、宗教行事や祭礼、田植えや農耕日などと人々の生活に深くかかわっているのです。
サカ暦は、月の満ち欠けを基にした太陰暦であり、ウク暦は、210日を1年とした、他では見られない独特の暦です。
1年が210日しかないウク暦
ウク暦は別名ジャワ・バリ暦と言われ、もともとは古代ジャワで使われていたカレンダーです。
16世紀マジャパイ王国の滅亡によりバリ島に逃げてきた僧侶たちによりバリ島にジャワ・ヒンドゥー文化が広がった事により、バリ島でウク暦が使われるようになったそうです。
ウク暦には「週」が10種類あります
「えっ?週が10種類って、どういう事?」 なんて、思いますよね。
私たちが使っている西暦には、日曜日から土曜日まで7日間で一週間という週しかないですよね。でも、このウク暦には「曜日が3つだけの週」とか「曜日が5つだけの週」と、10種類の週があり、それが同時進行しているんです。
分かりづらいですか?でも、ちょっとカレンダーを見てください。日本にも日曜日から土曜日まで7つの曜日がある週の他にも「大安」「赤口」「先勝」「友引」「先負」「仏滅」という6つの日を持つ週も同時進行していますね。ウク暦には日曜日から土曜日まである7日週の他に9つの週が同時進行しているという事です。
では、このウク暦の10種類ある週をピックアップしていきます。
- 一日週(エカワラ ekawara)
- 1.Luang もしくはない日もあります。
- 二日週(ドゥイワラ duiwara)
- 1.Menga 2.Pepet
- 三日週(トゥリワラ triwara)
- 1.Pasah 2.Beteng(または Alang Tegeh) 3.Kajen
- 四日週(チャトゥールワラ caturwara)
- 1.Sri 2.Laba 3.Jaya 4.Menala
- 五日週(パンチャワラ pancawara)
- 1.Umanis 2.Paing 3.Pon 4.Wage 5.Kliwon
- 六日週(サドゥワラ Sadwara)
- 1.Tungleh 2.Ariang 3.Wurukung 4.Paniron 5.Was 6.Maulu
- 七日週(サプタワラ Saptawara)
- 1.Redite(日曜日) 2.Soma または Coma(月曜日) 3.Anggara(火曜日) 4.Budha(水曜日) 5.Wrespati(木曜日) 6.Sukra(金曜日) 7.Saniscara(土曜日)
- 八日週(アスタワラ Astawara)
- 1.Sri 2.Indra 3.Guru 4.Yama 5.Ludra 6.Brahma 7.Kala 8.Uma
- 九日週(サンガワラ Sangawara)
- 1.Dangu 2.Jamgur 3.Gigis 4.Nohan 5.Ogan 6.Erangan 7.Urungan 8.Tulus 9.Dadi
- 十日週(ダサワラ Dasawara)
- 1.Pantida 2.Pati 3.Suka 4.Duka 5.Sri 6.Manuh 7.Manusa 8.Raja 9.Dewa 10.Raksasa
これら曜日は単純に繰り返すものばかりではなく、同じ曜日を繰り返したりするものもあります。
一日週、二日週、十日週は、ここに書いた順番通りに巡ってくるのではなく、五日週と七日週の曜日の組み合わせによって特殊な算出法で曜日を定めるようになっています。
特に重要なのが三日週、五日週、七日週です
バリ島の日常生活で特に重要なのが三日、五日、七日週です。
三日週のPasah(パサー)と言う日は、市場(パサール・Pasar)が開かれる日。
昔は毎日市場が開いていたのではなく、3日に一度だけ市場が開いていたんですね。
五日週の五つの曜日は方位にも関係しているそうです。
Umanis=東、Paing=南(海側)、Pon=西、Wage=北(山側)、Kliwon=中心と関係していて、Umanisの日は東に行くと吉、Kliwonの日は家にいると吉と言われています。
三日週と五日週の組み合わせによって特別な意味を持つ日ができます。
特に、三日週のKajenと五日週のKliwonが重なるKajen-Kliwon(カジャン・クリオン)の日は、悪霊が徘徊する特別霊力が強くなる日と言われ、なるべく外出を避け、夜は出歩かないようにするのが良いと言われています。
Kliwonは、家にいると吉の日でもありますからね。
五日週と七日週の組み合わせには、いろいろな意味があるそうです。
例えば、KliwonとAnggaraが組み合わさるとアンガラ・カシーとい吉日に、またWageとBudahが組み合わさるとブダ・チュマンという吉日になり、普段とは違ったお供え物を供えなくてはいけないそうです。
また、五日暦のKliwonと七日暦のSaniscaraが重なった日をTumpek(トゥンプッ)といい、大変良い日とされお祭りがおこなわれます。
このTumpekの日に行われるお祭りはこちらをご覧ください>>バリ島の祭礼日
この五日暦と七日暦の組み合わせは、35種類あるので、この35日で組み合わせが一巡し、一月と数える事もあります。
ウク暦は一年が210日なのです
ウク暦には、30種類の「ウク」があります。1つのウクは7つの日でできています。ちょうど西暦の一週間と同じですね。
そして、この30種類のウクが一回りすると、ウク暦の一年となります。
つまり、ウク暦の一年は7日×30週=210日となるわけです。
この30種類のウクは、次のようになっていて、番号順に進みます。
1.Sinta 2.Landup 3.Ukir 4.Kurantil 5.Tolu 6.Gumbreg 7.Wariga 8.Warigadian 9.Julungwangi 10.Sungsang
11.Dunglah 12.Kuningan 13.Langkir 14.Medangsia 15.Pujit 16.Paang 17.Krulut 18.Merakih 19.Tambir 20.Medangkungan
21.Matel 22.Uye 23.Menahil 24.Perangbakat 25.Bala 26.Ugu 27.Wayang 28.Kelau 29.Dukut 30.Watu-Gunung
この30のウクのうち、2番目、7番目、12番目、17番目、22番目、27番目のウクの土曜日(Saniscara)は、5日暦のKliwonと重なるTumpekの日で、この日は特別なお供え物を家寺などに供える祭礼日です。
なお、12番目のウクKuninganのTumpekは、クニンガンです。
また、各ウクには、それぞれ違った性格があると言う事で、生年月日がどのウクにあるかによって、性格や素質が分かると言われています。占星術のようなものですね。
太陰暦と太陽暦を組み合わせたサカ暦
サカ暦は、バリ島にジャワ・ヒンドゥー文化が広まる16世紀以前から使われてきた暦で、太陰暦と太陽暦を組み合わせた太陰・太陽暦です。
このサカ暦はインドのクシャーナ朝カニシカ王が制定した西暦78年を元年とするインド・シャカ暦が元になっているという説もあります。
太陰暦は、月の満ち欠けを基にした暦で、新月の日から月がまったくでない暗月(ティルム Tilum)までを1月とし、12ヶ月で1年としています。
朔望月(月の満ち欠けの1周期)が一か月となるのですが、平均朔望月は29.53日であり、月によって一か月が29日と30日の月が発生します。
また、12ヶ月も29.53×12=354.36日と太陽暦の365日の間にずれが生じます。
サカ暦は、この太陽暦とのずれを、数年に一度閏月を挟むことにより調整している、太陰・太陽暦なのです。
ちなみに、イスラム教徒が使うイスラム暦(ヒジュラ暦)は、太陽暦とのずれを調整しない純然たる太陰暦のため、毎年10日もしくは11日ずつ太陽暦からずれていき、およそ33年でずれが一周します。
サカ暦の月の話
サカ暦では、月の事をサシー(Sasih)と言います。
これは古いバリ語で、ペジェンにある有名なプナタランサシー寺院(Pura Penataran Sasih)のSasihも月(Moon)を意味しているそうです。
さて、サカ暦のサシー(月)も、西暦と同じく12あるのですが、サカ暦の1番目のサシーは、西暦の1月と言うわけではありません。
また、サカ暦は太陰暦のため、サカ暦の何月何日は西暦のいつになるのかは、毎年変わっていきます。
ただし、サカ暦は閏月により太陽暦とのズレを調整していますので、サカ暦の一番目のサシーは西暦でいうと常に6~7月ごろになります。
サシーは、太陽暦とのずれを調整していますから、同じサシーなら季節も変わりません。
以下に、各サシーの名前と、そのサシーの季節を列記します。バリ島は雨季と乾季しかないと思われがちですが、実はサシーによって細かく季節の移り変わりを感じているのですね。
- Sasih Kasa
- 第一の月・西暦の6~7月ごろ・寒くなり始める月
- Sasih Karo
- 第二の月・西暦の7~8月ごろ・もっとも寒い月・火葬式が良く行われる
- Sasih Kating
- 第三の月・西暦の8~9月ごろ・空気が乾燥して風が強くなる・凧上げに最適な月
- Sasih Kapat
- 第四の月・西暦の9~10月ごろ・花が咲く時期
- Sasih Kalima
- 第五の月・西暦の10~11月ごろ・気候は涼しく、ランプータン、マンゴがおいしい季節
- Sasih Kanam
- 第六の月・西暦の11~12月ごろ・雨が降り始め暑くなる月
- Sasih Kapitu
- 第七の月・西暦の12~1月ごろ・本格的な雨季に入る月
- Sasih Kaulu
- 第八の月・西暦の1~2月ごろ・強風を伴う雨が降る月
- Sasih Kasanga
- 第九の月・西暦の2~3月ごろ・強風を伴う大雨が降る月
- Sasih Kadasa
- 第十の月・西暦の3~4月ごろ・稲の収穫に良い時期・ニュピの祭礼がある月
- Sasih Jiyestha または Sasih Desta
- 第十一の月・西暦の4~5月ごろ・雨季が終わる月・田植えの季節
- Sasih Sadha
- 第十二の月・西暦の5~6月ごろ・乾期に入る月・田植えの季節
- Sasih Mala Sadha
- 第十三の月・西暦の6~7月ごろ・数年に一度入る閏月
サカ暦と祭礼日
バリ島の寺院のオダランは、ほとんどがウク暦にそって行われますが、ペジェン村からタンパクシリンにかけての寺院の多く、例えばプナタランサシー寺院やティルタエンプル寺院などのオダランは、サカ暦によって行われます。
このエリアは昔から栄えていた土地であり、バリ島にジャワ・ヒンドゥー文化が定着する16世紀以前に建てられた寺院が多いからと考えられます。
また、トゥガナン村やトルニャン村などの寺院もサカ暦によってオダランを行います。
これらの村はジャワ・ヒンドゥー文化がバリ島に定着する以前の文化、伝統を守るバリ・アガの村であるため、今でもサカ暦に沿った祭礼を行っていると考えられます。
このように、サカ暦を使った宗教行事はまだバリ島には存在し、特に有名なのが「静寂の日」と呼ばれるニュピの祭礼です。
ニュピはサカ暦10番目の月Sasih Kadasaの第一日目に行われる行事で、この日は夜明けから翌日の夜明けまで・労働・灯火の使用・外出・殺生が一切禁じられており、これはヒンドゥー教徒だけではなくバリ島にいるすべての人々、観光客にも適応されますので、この時期にバリ島に来られる方はご注意ください。
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